[ 平成25年第4回定例会−12月02日-03号 ]
◆角田秀穂 議員 児童相談所について。児童相談所について、市長は市長選の公約で、子供たちのために児童相談所を設置。子供をめぐる問題は増加し、児童虐待も年々増加傾向にあります。早期発見と保護のため、船橋独自で設置するということをうたわれました。児童相談所を開設するためには、検討すべき課題が山積しており、早急に準備のための組織を立ち上げて検討に着手すべきと考えますが、この点について、今後のスケジュールについてお伺いしたいと思います。また、検討すべき課題として現状どのように整理をしているのか、あわせてお伺いいたします。
◎子育て支援部長(金子昌幸) 児童相談所のご質問についてでございますが、児童相談所の設置に向けては、そのあり方も含め、詳細な検討が必要であるものと考えております。
準備組織についてでございますが、現在のところは、専任の職員がいない中で、市川児童相談所や相模原市や横須賀市の児童相談所を視察したり、比較的最近、児童相談所を設置した市に紹介するなどし、児童相談所についての情報収集等に取り組んでいるところでございます。
このような中、まずは他の児童相談所の視察などを通して、状況の把握や課題の整理をするとともに、庁内の関係部署とも連携して、よりよい児童相談所のあり方等について本格的に研究するために、来年度に向けて、職員の配置について関係部署と協議を行ってまいりたいと考えております。
次に、児童相談所設置の課題でございますが、これまでもご答弁いたしてございますけども、多くの専門職を確保することが最重要課題と考えており、職員の質の向上を図っていくことが重要と思っております。また、県との連携につきましても必要不可欠と思っておりますので、今後、県と相談を行ってまいりたいと思っております。なお、児童相談所の用地の確保、市の施策との連携や組織のあり方等についても大きな課題でございますので、これらについても、今後十分に検討を行っていく必要があるものと考えております。
◆角田秀穂 議員 児童相談所についてですけれども、児童相談所をなぜ市単独で設置するかということの一番大きな理由は、時代の変遷に伴って児相の果たすべき役割が大きく変わっており、今の仕組みでは今日的課題に対応することが困難となっていることが挙げられようかと思っております。児童相談所の歴史をひもとけば、戦後間もなくの浮浪児対策から始まり、その後の時代の変遷の中で、今日では児童虐待への対応が中心となっております。先行する中核市が児童相談所を設置したのも、平成12年の児童虐待防止法成立以降ですが、その当時から見ても、児童相談所を取り巻く環境は大きく変わってきております。
先行市が児相を開設した平成18年以降、児童虐待防止法、さらには関連する児童福祉法改正などで、児童相談所の守備範囲が大きく拡大しており、さらには援助を、児童相談所と管外市町村の二元体制で行う中での双方の連携強化などが強く求められているようになったわけですが、この仕組みの中で児童虐待に迅速に対応するには、やはり無理があるということが明らかになってきております。例えば、急増する虐待通報に迅速に対応するためには、県と市の二層構造では時間がかかるという問題も指摘されております。
虐待調査は、どれだけ情報を入手できるかにかかってきております。さらに、本来の目的である児童の保護と家庭への支援という両面から見ても、十分なフォローができていない。施設に措置したら、あとは措置先の施設に任せきり。在宅に戻せば、あとは地元市町村に任せきりといった状況で、本来必要とされる支援が講じられていないという実情もあります。
児童虐待にかかわる全ての部門で、マンパワー不足、経験不足、連携不足というのが現実で、その中で児相に求められる今日的な役割を果たすためには、地域や施設、専門機関等のネットワークの中核としての児童相談所も市が一体的に運営し、より強固な連携の仕組みをつくらなければ無理であろう。ある意味、船橋が独自にモデルをつくっていかなければならないと思っております。
もちろん、財政面、人材の確保など、どれをとっても非常に困難を伴う事業であることは明らかであります。それゆえに、この事業を遂行できるか否かは、多分に、トップである市長の決断、リーダーシップにかかっていると言えます。市長においては、どうか、ぶれずに当初の公約どおり児童相談所開設に向けて進んでいただきたいと要望いたします。そのためにもしっかりした体制をしいて、早急に具体的な検討作業に着手していただきたい。人材の確保・育成という問題一つとっても、長い時間を要する問題であります。ケースワーカーを育てるにしても、1年くらいの研修では短過ぎる。市域のどこに設置するのかという場所の問題も、よくよく考えなければならないと思います。
今、緊急を要する事態に迅速に対応するためには、市内どこでも一定時間内に駆けつけることができるという視点から設置する場所は検討されるべきだろうと、私自身は考えておりますが、そうしたさまざまな課題も見据えて、専任の職員を確保して一日も早く作業を進めることを、これは要望としておきたいと思います。