決算特別委員会記録(平成24年)11月7日(水曜日)
○公明党・角田秀穂委員 説明書89ページ、看護師確保対策費、看護師養成修学資金貸付金について。
市内医療機関で看護師の業務に従事してくれた場合は、修学資金、月額2万円の──これは修学年数によっても、勤務続ける年数変わってくるみたいだが──返済免除の措置をとって看護師を確保しようとするものは。説明書によれば、23年度77人に貸し付けの実績があるが、この事業の具体的な成果について、まずお伺いをしたい。
○健康政策課長 平成23年度に看護学校を卒業した学生のうち、看護師養成修学資金の貸し付けを受けていた学生は22名。このうち20名が市内の医療機関に就職している。具体的には市立医療センターが11名、社会保険中央病院が3名、千葉徳洲会病院が3名、市立リハビリテーション病院、総武病院、船橋総合病院が各1名となっている。
○角田秀穂委員 参考までに伺いたいのであるが、医療センターは23年度において、看護師確保についてはご苦労をされたか。それとも応募が殺到してうれしい悲鳴を上げていたか。ちょっと状況を伺いたいと思う。
○医療センター総務課長 看護職員の確保については、23年度採用試験を年5回実施した。7対1の配置基準を維持するため、採用試験を繰り返し行っていかなければならない状況にあり、広報活動として、看護学生、既卒の有資格者向けの就職情報を提供する企業が主催する合同就職説明会、看護協会が主催する就職説明会などへの参加も行っている。
○角田秀穂委員 看護師の確保は、船橋市に限らずどこも随分苦労をされていると思う。現状では、医療センターも同じだと思うし、23年度においても状況は変わっていないと思う。
特に船橋の場合は、市立医療センター、さらにはリハビリ病院と大きな病院を抱えていて、市民のためにも、この看護師の確保対策というのは、もっともっと充実する必要があると考えている。
この奨学金の返済免除について、民間の病院であっても、うちで働いてくれれば返還しなくていいという制度をとっているところもあるし、例えば東京都などは、少なくとも船橋よりも高い──大体5万円ぐらいだったかなと思う。東京都に限らず、県内の近隣市の市立病院でも、月額5万円で就職してくれたら返済免除という奨学金制度をとっているところが幾つかある。
奨学金を使って看護修学しようとしている学生が、どういう情報を得るのかわからないが、並べてみて、船橋2万円、近隣市の市立病院では5万円、というようなことでは、現状ではやはり魅力がやはり乏しいと言わざるを得ないと思う。
本当に看護師の確保対策を進めなければいけない状況で、せめて近隣他市の市立病院等と遜色のない程度までこれを充実する必要があろうと考えるが、この辺についてはどのようにお考えか。
○健康政策課長 看護師修学資金の貸付事業については、貸し付けを受けていた学生が貸し付けを受けていなかった学生に比べて市内に就職する率が高いことは明らかである。
しかも、この貸付金額は、制度ができた昭和53年度から変わっていない。委員のおっしゃるように近隣を見ると、3万円あるいは5万円といった市も出てきているので、船橋市内への医療機関への就職に魅力を感じていただくような形で考えていきたいと考えている。
○角田秀穂委員 特に市立医療センターの看護師確保ということにも視点を置いて、対策の充実をぜひとも図っていただきたいと要望させていただく。
説明書93ページ、歯科予防費について。
フッ化物による洗口を実施したとある。23年度は、モデル施設において試行的に実施したとあるが、これは、22年度についても行っている。
これについては、いつまで、どこの施設で、こういうことを行っていくのか。
また、23年度、どのような内容を行って、どのような成果が見られたのか。
○健康増進課長 フッ化物洗口については、平成22年度から3年間の予定で実施をしている。23年度については、この2年目が終了した段階である。
実施については、22年度施設が5──保育園が2、幼稚園が2、小学校が1となっている。また、23年度については、保育園が1、幼稚園が2、小学校が2となっている。
本来、虫歯予防が目的であるが、短期間ということもあって、成果としては、児童がみずから虫歯予防を意識するようになり、保護者が児童の虫歯予防を意識するようになった。また、虫歯予防につながるいわゆるぶくぶくうがいが上手にできるようになったといった成果が出ている。
○角田秀穂委員 今後は、どうされるおつもりか。
○健康増進課長 本来の虫歯予防のためのフッ化物洗口の効果については、既に平成7年度から実施している鴨川市の小学校の実績によると、7年目から8年目で虫歯の罹患率が半減すると言われている。
今年度も実施中ではあるが、今回の3年間のモデル事業では、虫歯罹患率が明確に減少したとの効果が出ていないため、25年度以降については船橋歯科医師会や関係課と協議を行って、モデル事業の内容を虫歯罹患率の高い施設で6年間継続する事業として行いたいと考えている。
○角田秀穂委員 しばらく様子を見ないと、何とも言えない事業である。これはこれで次に移る。
説明書94ページ、健康医療相談事業について。
24時間対応の電話相談サービスをスタートした初年度だったが、この事業をやってみて、現状をどのように評価しているか。
○健康政策課長 健康医療相談事業は、平成23年6月1日より開始し、23年度については10カ月間の実績となる。
相談件数は、説明書にあるとおり4万4010件。平均すると1カ月4,000件以上の相談を受けている。この数値については、委託会社からいただいた他市の状況と比較すると、本市については、市民の皆様に非常によくご利用いただいていると感じている。
○角田秀穂委員 同様なサービスを実施している自治体に比べても、船橋はかなり利用が多い好評な事業であったと伺っているが、例えば、これの具体的な効果として、医療機関のコンビニ的な受診が減ったとか、救急車の出動要請が減ったとか、目に見えるような形の効果は検証されているのか。
○健康政策課長 この事業における具体的な成果は、数字的にはあらわれていないが、例えば相談対象年齢別の内訳を見ると、幼児あるいは子供さんの件数が1万1727件で全体の26.6%を占めていることから、学校に行く前、あるいは保育園、幼稚園に行く前に、子供さんの健康状態を確認して、幼稚園や小学校に送り出すといった効果があると感じている。
○角田秀穂委員 説明書95ページ、狂犬病対策費について。
犬についてちょっと小さい話を細かく聞きたいと思う。
本市においても年々犬を飼う市民がふえていて、この説明書によると、23年度1年間で2,165頭の登録件数があった。今年度などは、前半の6カ月だけで1,500頭があって、このままだと年間通じて3,000頭ぐらいの件数があると思われ、やはり年々犬を飼育する人がふえている現状がある。
犬を飼った場合には、狂犬病予防法で、鑑札をつけることが義務づけられているが、ここでは、特に、それに関する手数料の考え方についてお伺いしたい。
初回、最初の登録する際の手数料が3,000円で、ここでは再交付に絞って伺いたい。
あの鑑札と注射済み票を一緒につけていなければいけないみたいだが、あれを犬につけているとなくすことが非常に多くて、その場合は再交付の申請をすることになるが、その際の再交付の手数料が犬の鑑札の場合で1,600円かかる。これについて、犬を飼う人がふえているせいもあるが、ちょっと高いのではないかとの声を結構耳にする。ちなみに、調べてみると、これは全国一律、判で押したように1,600円である。
この鑑札の交付事務は受託事務でやっているのか、それとも自治事務でやっているのか。その辺の経緯から少し伺いたい。
○環境衛生課長 本事務については、平成12年4月1日から、犬の登録事務及び狂犬病予防注射済み票の交付事務が、当時の委任事務から自治事務に移譲された。
○角田秀穂委員 では、再交付の手数料については、それぞれの自治体で独自に定めることができると理解してよいか。
○環境衛生課長 おっしゃるとおり。
○角田秀穂委員 では、この1,600円の積算根拠を示していただきたい。
犬の鑑札と注射済み票という物自体は、もう同じアルミだか何だか知らない金属で、同じような大きさで、もともとの原価、ほとんど物自体の原価は変わらない。
注射済み票の再交付の場合は、今何百円だったか──400円……ちょっとそれも教えていただきたいと思うが──、それぞれ随分違うのである。
鑑札の再交付の手数料は、判で押したように全国一律。
注射済み票については、かなりばらつきがある。
それについて、なぜかということがあるので、参考までにそれぞれの積算根拠についてちょっとお示しいただきたい。
○環境衛生課長 まず、手数料について。
犬の鑑札の再交付手数料は1,600円である。
狂犬病予防注射の済み票の再発行は340円である。
犬の鑑札の再交付手数料の根拠は、受付審査、鑑札交付、パソコン入力等、人件費にかかるものとして1,311円、消耗品、印刷製本費などの物件費にかかるものは404円、合計1,715円と積算している。
予防注射済み票の交付については、人件費に393円、物件費に13円、合計406円と積算している。
犬鑑札自体は、その犬の登録に伴うものであり、注射済みのほうは、その登録に付随するものであるので、そのあたりで差が出るのかなと理解している。
○角田秀穂委員 これはもう少し下げるということは考えられないか。
○環境衛生課長 この積算結果を見て、おおむね手数料と合致しているところを見ると、現在のところ、改正の予定はない。
○角田秀穂委員 とりあえずこれは、今のところはここまでにしておく。
説明書96ページ、保健所のほうで実施しているウイルス性肝炎予防対策費について。
ウイルス性肝炎の予防対策と検査を実施した費用だと思う。金額自体どれもそんなに大きなものではないが、21年度が50万であったのが、22年度が34万6000円、23年度が17万6000円と、年々減ってきている。
これは何で減っているのか。
○保健予防課長 この検査は、生涯に一度受ければよい検査で、保健所以外に基本的に健康増進課が40歳以上の方に対し、健康増進法に基づく肝炎ウイルス検査を実施している。
保健所では、肝炎の早期発見及び早期治療の観点から、これまでに検査を受けたことがない方、肝炎の治療をしていない、治療をしたことがない方、ほかで検査の機会のない方を対象に実施している。
検査体制が進んだことから、保健所でのこの検査件数が減少しているものと考えている。
○角田秀穂委員 広報というか、余り周知がなされていないことも理由の1つではないかと思うが、そういったことは考えられないか。
○保健予防課長 市民周知にしては、検査の案内を市のホームページ及び市の広報紙に掲載して周知活動をしている。
○角田秀穂委員 このような検査・受診の勧奨は、あらゆる機会を捉えて進めていただきたいことを要望させていただく。
説明書103ページ、地球温暖化対策費について。
グリーンニューディール基金を使って医療センターの空調改修工事等へ補助金を交付した、とある。
この空調改修工事に対して、この基金を使って補助金を交付した理由について確認をさせていただきたい。
○地球温暖化対策推進室長 この補助金の交付に先立って、各所管課に事業の照会をしたところ、5つの要望があった。本事業の要件として、地球温暖化対策の効果が求められていること、医療センターの場合だと第1種エネルギー指定管理工場であること、そのようなことから、この事業の対象となり、本市が申請した。
○角田秀穂委員 要するに申請があった中で、一番、温暖化──CO2等の削減効果が大きいものを選んだということか。
○地球温暖化対策推進室長 これは、国のほうの平成21年度第2次補正予算における中核市と特例市を対象とした補助事業であり、雇用対策と地域における地球温暖化対策の推進を図ることが目的となっているので、それに該当したということである。
○角田秀穂委員 説明書105ページ、放射線測定器について。
23年度たくさん購入をしたが、この活用の現状がどうなっているか。
また、今後これをどうしていくのか。
○環境保全課長 表中上段の精度の高い測定器については、定点測定のほか各所管の詳細な測定等に利用している。
下段の簡易測定器については、40台を市民等への貸出用に、14台については各所管の公共施設の測定に使用している。
今後は、精度の高い測定器については現状と同様に、また簡易測定器については、貸し出しの利用状況の低い状況が続いていることから、他の有効な活用方法も含めて検討してまいりたいと考えている。
○角田秀穂委員 セシウムの場合で半減期が30年。今後、継続的に監視していかなければいけないし、その体制についても今後もしっかりと取り組んでいただくよう、要望する。
とりあえず一旦、これで終わる。