平成21年第3回定例会会議録(第6日・4)

角田秀穂議員  特別支援教育についてお伺いをいたします。

これは先番議員も取り上げておられましたけれども、この何年かの間、特別支援学級さらに は特別支援学校に在籍する児童数が急増をしております。全国的に見ましても、この10年間で特別支援学級に在籍する児童数は1.9倍と、約2倍近い伸びを 示しております。これは学級の種別で言いますと、知的障害と自閉症・情緒の学級に在籍する児童で9割以上を占めているわけではありますけれども、本市にお いても事情は同じで、この10年間で在籍児童数は1.6倍と、やはり急増をしております。

 これも先ほど指摘されましたけれども、これに 伴いまして1校当たりの学級数もふえている。10年前は3学級というものがありませんでしたけれども、現状では3学級以上という学校が、これは知的障害で 3学級あるということですけれども、何も知的に限ったことではなく自閉症・情緒においても3学級という学校が存在するという状況になっております。この原 因については、端的に申し上げれば、こうした在籍する児童数の急増に対して、行政の対応のスピードが追いついていないということに尽きるかと思います。

  こうしたことから、とにかく3学級の解消ということについては、しっかりと取り組んでいただきたい。特に今一番多いのは、先ほどもありましたけれども、知 的においては三咲小学校の、ことし5月1日現在では20名でしたが、その後2名増えて22名。自閉症・情緒については湊町小学校の22名、やはりここが最 多となっております。こうしたところでは現実問題、行き届いた教育環境というものにも、やはりさまざまなところで支障が出ているという現状をかんがみて、 早急な解消に取り組んでいただきたい、こちらは要望をさせていただきます。

 それからもう1点、これはお伺いをさせていただきますけれど も、船橋市において早急に対応していただきたい課題として、中学校への自閉症・情緒障害特別支援学級の開設ということがあります。全国的に見れば、知的障 害の特別支援学級も、自閉症・情緒障害の支援学級の数も、おおむね小学校、中学校、2対1の割合で開設をされておりますが、翻って本市の場合、自閉症・情 緒障害の特別支援学級は、小学校7学級に対して中学校はゼロという現状であります。なぜ、このような状況が長年放置されているのでしょうか。中学校への一 日も早い自閉症・情緒障害特別支援学級の開設を求めますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

学校教育部長(阿部裕) 特別支援教育について、中学校に自閉症・情緒障害の特別支援学級が必要ではないかとのご質問についてお答えいたします。

  これまで小学校の自閉症・情緒障害特別支援学級の卒業生の多くは、中学校では知的障害の特別支援学級に進学をしておりました。しかしながら、自閉症・情緒 障害特別支援学級に在籍する児童の中には、より個別的な指導を必要とする児童もおりますことから、今後中学校における自閉症・情緒障害児の望ましい教育環 境のあり方について、中学校への特別支援学級設置を含め検討してまいりたいと考えております。

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中学校の自閉症・情緒障害学級、これは本当に必要なものですので、ぜひとも早期な開設をお願い をしたいと思います。1問で特別支援学級在籍児童の急増について述べさせていただきましたけれども、この傾向は特別支援学校についても全く同じであり、こ の10年で小学部、中等部、高等部合わせて約2倍に増加をしております。こうした状況を考えあわせますと、今後、在籍する子供たちの卒業後の就労支援とい うことが、本市においても極めて大きな課題となってくることは間違いないことであろうと思います。

この点については、昨年の本会議でも取 り上げさせていただきました。その際、特別支援学校の中でも高等部はこの10年で2.5倍に急増していること、在校生の半分は就職を希望しているけれど も、卒業生のうち就職できる者はわずか4分の1にとどまっているという現状、特別支援学校の生徒の職場の開拓というものは、もっぱら現場の教師にゆだねら れており、新聞に折り込まれてくる求人広告などを頼りに、夏休み期間中400社から500社を訪問して、何とか職場実習を受け入れてもらえないかとお願い に歩いているけれども、在校児童生徒の増加する中で、現場だけの努力には限界があるということを指摘をさせていただきました。

 その上 で、障害者の雇用については、法律においても市役所にも一定の雇用が義務づけられておりますが、法定雇用率算定に知的障害者も対象に加わってから以降も、 本市における雇用の実績はありません。このため、今後の採用へ向けた取り組みの第一歩として、こうした子供たちの実習の受け入れを、市においても早急に実 施するよう求めさせていただきました。この点について、就職希望者の急増という実態も踏まえて早急な対応が求められていると思いますが、これまでの検討状 況についてお伺いをしておきたいと思います。

総務部長(上村義昭) 障害者の就労についての、特に知的障害者の就労支援に関するご質問にご答弁申し上げます。

 知的障害者の雇用につきましては、身体障害者の雇用の場合と比較いたしまして、よりきめの細かい対応を要求されるなどの理由から、平成19年の第4回定例会の際にご答弁申し上げました後も、いろいろな角度から研究してまいりました。

  厚生労働省では、知的障害者が国の機関において非常勤職員として職場経験を積み、その実績を生かして、ハローワークなどの連携により一般就労への足がかり にしようとするチャレンジ雇用制度を平成20年度から開始、また他の地方公共団体でも国が示すチャレンジ雇用制度と同様な趣旨で、知的障害者の民間企業へ の就労に向けた雇用事業を実施している団体も出てまいりました。これらの動向についても研究してまいりました。

また、職員の視点から政策を提案し、事業として具体化しようとする政策実現研修の中から、チャレンジ雇用制度と目的を同じくする知的障害者の雇用のシステムについて提案がなされ、まずは提案者を交えまして関係各課と近日中に協議をしてまいります。

いずれにいたしましても、障害者の方が地域の中で自立し、ともに暮らせる社会を目指し、知的障害者の雇用について引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。