平成19年第4回船橋市議会定例会会議録(第5号・5

角田秀穂議員  質問の順番は年の順と申しますか、子供の発達支援、それから特別支援教育、これは所管がまたがりますので2つに分けましたが、本来は一括して行うべきもの ですので、一括して質問を行いまして、その後、就労の支援、それから高齢者、時間を見まして、救急搬送、下水道について質問させていただきたいと思いま す。

 初めに、子供の発達支援について、それから特別支援教育について。子供の発達段階に応じた支援ということに関して、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、子供が誕生した直後の支援ということから伺っていきたいと思います。

 新生児の訪問指導における医療機関と行政の連携についてということ で、極低出生体重児、退院後も継続的な看護が必要であるとか、育児不安が予想されるケースは、医療機関から、退院時にいわゆるサマリーというものが行政に 送付をされておりますが、本市において18年度に医療機関から送付をされたサマリーの件数と、それに基づいて実際に訪問した件数をお示しいただきたいと思 います。また19年度はどうか、あわせてお伺いをいたします。

 続きまして、これは決算委員会でも申し上げたことですが、そのとき行政の考え方をお答えいただいていなかったので、この場で改めてお答えを伺いと思って質問をさせていただきます。

 決算委員会においては障害児の療育について、本市においても複数の 機関・施設でサービスが提供されておりますが、指導・支援の計画づくりも個別の施設ごとに行われているために、11人の発達段階に応じた適切、かつ一貫 した支援が必ずしも提供されていない現状を踏まえ、11人に最適な支援計画の策定と、それに基づく一貫した支援の実施が行われるよう、センターの体制の 充実を要望させていただきました。

 これは教育委員会の方でも真剣に取り組んでいかなければいけない課 題ではあると思いますが、同じように福祉にも取り組んでいただきたい。そのための1つとして個別の支援・指導計画策定のもととなる学際チーム、言い換えれ ば、専門家チームの設置が不可欠であること、コーディネーターを初め小児科医・臨床心理士・言語聴覚士、必要ケースに応じては作業療法士・理学療法士、さ らには精神科医による支援計画作成のための体制を早急に整えていただきたいと要望させていただきました。

 決算委員会が終わった後、船橋と同じ中核市である熊本市で、平成 20年度開設を目指して進められている総合保健福祉センター整備事業について、お話を伺ってまいりました。このセンターの整備・運営はPFI方式で行うも のですが、この中には障害の早期発見、療育のための子ども発達支援センターも新設されることになっております。ここには小児科医・理学療法士・作業療法 士・言語聴覚士・心理発達相談員・保健師・保育士・ソーシャルワーカー等の専門職が配置をされ、必要な支援・サービスのコーディネートまでを担うことに なっており、長年の懸案がようやく実現をすると、熊本市の担当の方は話しておられました。

 本市においても、各種事業の効果を最大限に発揮する上からも、同様 の役割を担うセンターはぜひとも必要だと考えます。何も新しい施設をつくってほしいと言っているわけではありません。現在の人の配置を見直すことでできる と考えますが、いかがお考えか、お答えをいただきたいと思います。

 続きまして、教育委員会に対してお伺いをいたします。

 従来の特殊学級の対象の障害だけでなく、LDADHD、高機能自閉症を含めて、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、その11人の教育的ニーズを把握して、必要な支援を行う特別支援教育が今年度からスタートしております。

 アメリカのニューヨーク市を拠点に、長年インクルージョン教育に携 わってきたコミュニケーションセラピストであり、教育カウンセラーのカニングハム・久子氏が本年10月に来日した際に行った講演の中で、日本における特別 支援教育成功のための課題として、現状では非常にハードルが高いと思われる10数項目の事柄を指摘した上で、結びにこう述べられております。

「日本人は一たび決めた目標を達成するため、精密なプログラムを立て ることに関しては極めてすぐれた能力を持っており、特別支援教育へのチャレンジも恐らく成功させるだろう。ただし、その過程で犠牲者も出てくるだろうと 思っている。犠牲者となるのは特に現場のまじめな教師である。燃え尽き症候群に陥らないことを願う」と。

 同氏が成功のための課題として挙げたうちの幾つかを紹介してみます と、例えば「クラス担任は、障害児に対する教育を適正かつ効果的に行うことができる教員であること。障害児への指導、クラスマネジメントを効率的・効果的 に行うことができる能力を有していること」、これはそもそも学級経営がうまくいっていない、集団としてのまとまりができていない、落ち着きがないクラスで は、障害児への支援も効果を上げることができないということを意味をしております。

 また、「教師の授業をモニターし、必要な指導・研修を行うこと」、 これは校長や教頭も特別支援教育の専門家であることが求められているということであります。さらに「個別教育プログラムの作成方法について、すべての教師 が共有すること、個別教育プログラム作成のもととなる学際チームの設置」の必要性も、自身の経験を踏まえて強調をされておりました。要するに現場の教師だ けでなく、学校全体、さらに教育の枠を超えた連携なくしては特別支援教育の成功はないというふうに語られておりました。

 また、発達障害児の教育について、数多くの学校現場を取材をしている教育ジャーナリストの品川裕香氏は、著書の中で日本の特別支援教育の現状について、こう記しております。

「校内委員会や特別支援教育コーディネーターを設置すれば、LD ADHDの子供たちの成長・発達権が保障されるわけじゃないし、特別支援教育支援員が入れば、子供たちの指導が行き届いたり、社会のルールと生きるスキル が身についたりするとも、もちろん言えない。私自身、連携がさんざん大事だと言っていますが、それもシステム化されていない現状では、一部の人だけが頑張 る形です」。

 以上、海外と国内の教育現場を長年見てきた専門家の言葉を引用させ ていただきましたが、緒についたばかりの特別支援教育の成功のためには、1つには連携ということがキーワードになると思いますが、この点について、本市の 教育委員会のお考え、特別支援教育がスタートして、これまでの間の実際の取り組みについて伺っておきたいと思います。

 それから、1点だけ具体的に伺っておきたいと思いますが、特別支援 教育の大きな柱となる個別指導計画の策定状況について伺っておきたいと思います。前提となる本人の実態把握はどのように行っているのか、また指導計画に基 づく指導を行った後の評価については、だれがどのように行っているのかについても伺いたいと思います。

健康部長(加賀見実) 子供の発達支援に関するご質問のうち所管事項についてお答えいたします。

 新生児の訪問指導における医療機関と行政との連携でございますけれ ども、新生児や未熟児、低出生体重児等につきましては、病院から退院連絡票、いわゆるサマリーが送付されますので、それに基づきまして家庭訪問や面接等の 保健指導を行いまして、発育や発達の相談、育児に対する不安や悩みの軽減等を図りまして、安心して子育てができるように支援をしております。

 平成18年度はサマリーの件数が135件で、家庭訪問は延べ252 件でございます。また、平成199月末現在では、サマリー件数は52件、家庭訪問は延べ91件実施をしております。その結果につきましては、医療機関に 保護者の同意を得まして報告をし、相互に情報交換をしながら、育児支援を継続しているところでございます。

 また、県外や市外へ里帰りが長く、訪問ができない方や、入院期間が長く、訪問に至らない方に対しましては、電話相談や4カ月児健康相談、乳幼児発達相談等で育児支援をしているところでございます。

 以上でございます。

[福祉サービス部長登壇]

福祉サービス部長(中嶋祥治) 子供の発達支援についてのご質問のうち、所管事項についてお答えいたします。

 議員のご指摘のとおり、障害を早期に発見し、早期療育を実施してい くことは、障害の重篤化を防止するとともに、その後のライフステージにおいて適切な支援を行い、そのお子さんの将来の生活の質を向上させるためには、大変 重要であるというふうに考えております。その支援を行う上で、さまざまな分野の専門職により、11人のお子さんの状態を的確に把握し、個別支援計画を作 成し、各発達段階でのきめ細やかな支援を行うことの必要性は、十分認識しているところでございます。

 本市におきましても、こども発達相談センターを初めことばの相談 室・簡易マザーズホーム・さざんか学園等の施設に臨床心理士・言語聴覚士・作業療法士・理学療法士等の専門職員が配置されております。これら各施設の専門 職員を有機的に結びつけ、11人の障害をお持ちのお子さんに効果的な支援を行うことは、今後の療育の施策の中で重要なことと考えております。

 このため、現在、各専門職の配置のあり方や一元的な支援など、各施設の資源や施策を効果的に実施するための検討を重ねているところでございます。今後ともさらなる療育体制の整備に向けて検討してまいります。

 以上でございます。

[学校教育部長登壇]

学校教育部長(松本文化) 特別支援教育についてのご質問にお答えいたします。

 まず、連携についてでございますが、教育委員会といたしましては、 障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、医療・福祉・労働等の関係機関による支援ネットワークを構築し、乳幼児期から卒業後までの生涯にわたる1 1人のライフステージに応じて、適切な教育支援を行うことは重要であると考えております。

 実際の取り組みとしまして、船橋市では平成174月に、学識経験 者や医師、福祉部局、労働機関、保護者、学校関係者から成る船橋市特別支援連携協議会を設置し、特別支援教育の基本的な方向性や乳幼児期から学校卒業後ま で一貫した支援体制づくりや、関係機関との連携のあり方について、現在検討を重ねているところでございます。

 次に、個別指導計画の策定状況についてでございますが、個別指導計 画は児童生徒11人の障害に応じたきめ細やかな指導が行えるように、指導目標や指導内容、指導方法等を具体的にあらわした内容となっております。障害の ある児童生徒の実態把握は学級担任や特別支援教育コーディネーターが中心となりまして、児童生徒の観察、保護者との相談、校内委員会での協議、さらに関係 機関の指導・助言を受けまして、行っております。

 個別指導計画は、学級担任や特別支援教育コーディネーターが保護者 の協力と理解を得て作成しております。評価につきましても、学級担任や特別支援コーディネーターが保護者と相談しながら行い、それを受けまして、校内委員 会で次の目標を設定し、指導内容・指導方法の改善に努めているところでございます。

 以上でございます。

角田秀穂議員  まず、医療機関との連携ということで、サマリーの件数、またそれに基づく訪問の件数についてお伺いいたしました。18年度135件、サマリーが送られてき て、延べ252件訪問をして、医療機関に報告をしたというお答えだったんですけど、実際にサマリーを送っている側、病院の側の実態がどうなのかということ を、ちょっとお忙しい中お願いをしまして、1つの病院からきょう、回答が来たんです。

 そこの病院は、平成18年度に船橋市に送ったサマリーの件数が15 件、これに対して市から返ってきた件数が30件、送っていないものについても返ってきているということで、わけがわからないということで、聞いてる私もよ くわけがわからなかったんですけれども、その上、どこに送っているかということについて、この病院では船橋保健所に送っているんです。

 船橋の場合は保健所は関係なくて、健康増進課がこの事業を行ってお ります。送っている方も、保健所に送ってきたものがどうして健康増進課から返ってくるのか、これもわけがわからないということで、わけがわからないですか ら、今現在も保健所あてにこのサマリーを送っているということでありました。

 要は、1回この事業についてもよく整理をしていただきたいと思うん ですね。本当に効果的な連携をするためには、やっぱり1回、これは船橋市、重立ったところだけでも構わないと思いますから、1回現場に行って、その辺のと ころを誤解を解くなり、また意見交換をするなり、お忙しいかと思いますけれども、そうすることは今後の業務をスムーズに進めていく上で非常に重要だと思い ますので、ぜひこの点については1回整理をしていただきたい。また、現場の話を伺っていただきたい。それによって、より効果的な連携というものを模索して いただきたいということを要望させていただきます。

 それから、発達支援のためのセンター機能の充実ということに関して は、前向きなご答弁をいただいたと思います。さまざまな専門職によって、11人の状態を的確に把握し、個別の支援計画をつくれる体制をぜひとも早急に整 備していただきたいと思います。これは当然のことですが、専門職が違えば、子供の支援に対する意見・考え方も当然違ってきます。そうした異なる考え方・意 見を出し合う中で、その子供にとって最もよいと思われる指導・支援計画をつくっていく、そのための過程を何よりも大事にしていただきたいと思いますし、時 間をかけて取り組んでいただきたいと思います。

 そのためには、さまざまな分野の専門職が1つのテーブルに着ける仕 組みづくりがぜひとも必要だと考えます。早急に支援計画づくりのための体制整備をお願いするとともに、その上に、さらに要望させていただきたいと思います が、専門家チームによって策定された支援計画に基づくサービス提供のためには、部局の枠を超えた連携の体制づくりも、当然必要になってくると思います。ま た、それなくして発達段階に応じた適切、かつ一貫した支援を行っていくことはできないと考えます。関係する部署による連絡調整の仕組みづくり、あくまでも 実効性のある仕組みづくりについても、早急に検討していただきたいと思います。

 それから、学校における支援の現状についてですが、支援のもととな る個別支援計画の策定状況については、一体、船橋においてどれだけの件数を実態として策定をしているのかといった具体的なことについては、言及がありませ んでした。教育委員会として、把握していないということだと思います。本当に校長も含め、指導計画策定段階から学校全体としてかかわっているのかどうか疑 問が残りますし、実態が把握されていなければ、検証のしようもないと思います。

 特別支援教育は全く新しい試みであり、その柱となる個別指導計画を つくるだけの力量をすべての学校が当然に有しているとは言えないと思います。少なくとも市全体の実態を把握し、さまざまな事例を集め、それをもとに必要に 応じて支援を行っていく、センター的な役割を担うところがあってしかるべきではないでしょうか。

 特別支援教育の枠組みでは、特別支援学校がそのような役割を果たす ことになっておりますが、船橋の特別支援学校がセンターとして機能しているかといえば、決して機能しているとはいえない状況にあると思います。形にこだわ る必要もないと思います。ぜひとも体制の充実を早急にしていただきたいと要望させていただきます。

 先ほど引用させていただきました品川裕香氏の著書から、もう一言だけ引用させていただきます。

「個々の子供の認知と学習スタイルの多様性を教育に認めることは、真 の意味で多様性を認める社会の第一歩になります。これはみんなが声高に叫ぶ国際化の第一歩です。英語教育を小学校から導入するよりもよほど大事です。特別 支援教育の理念が本市において実現をされるよう、一層の研究と取り組みを切に望みたいと思います」。