平成15年第4回船橋市議会定例会会議録(第4号・1)

角田秀穂議員  動物愛護についてお伺いをいたします。

 動物、特に犬や猫等のペットは単なる愛玩動物ではなく、家族の一員、人生の伴侶であると の認識が高まる一方で、無責任な飼い主によるペットの遺棄、不適切な飼養、あるいは動物への虐待等の問題が社会的な関心となってきたこと等を踏まえ、動物 の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律が平成12年12月1日より施行されました。

 この法改正によって、法律名が動物の愛護及び管理に関する法律に変わるとともに、動物を所有する者の責務が強化をされました。

 この法改正を受けて、動物愛護に関する普及啓発活動に各自治体でもさまざまな取り組みがなされているようでありますが、依然として無責任な飼い主によるペットの遺棄なども後を絶たないようであります。

 県内の状況を見ましても、昨年度致死処分された犬は1万頭余り、猫も1万1000匹余りに上っております。

 本市は、中核市移行に伴って、動物の愛護及び管理に関する条例を制定し、市独自に野犬の捕獲、返還、犬猫の引き取りや苦情処理、相談、普及啓発活動など動物関係の業務を実施するようになりました。

 そこで、まず中核市移行後からこれまでの動物関係事業の取り組みについて何点かお伺いをしたいと思います。

 まず1点目として、野犬等の捕獲、返還について、これまで具体的にどのように取り組まれてこられたのか、実績も含めお伺いをいたします。

 2点目として、犬猫の引き取り業務について、これまでの実績についてお伺いをいたします。

 一般的に、かむ、ほえる、汚いというのがペットを飼えなくなる三大理由といわれますが、 こうしたことはほとんどが正しいしつけで改善できることでもあります。飼ったはいいが、思うどおりにしつけられないなど、安易に引き取りを求める飼い主に 対してはどのように対応しているのかということについてもお伺いしたいと思います。

 3点目として、捕獲や引き取りで飼い主があらわれない、引き取り手もないということで、 結果として残念ながら処分されてしまう犬猫を減らしていくためにも、また、ペットをめぐるトラブルを減らすためにも、正しい飼い方の普及啓発活動も大変重 要なことと考えますが、現状、本市ではどのような取り組みをなされているのかについてお伺いをいたします。

健康部長(金子正雄) 動物愛護についてのご質問にお答えいたします。

 まず、野犬等の捕獲、返還のこれまでの実績及び具体的な取り組みということでございます が、野犬等の捕獲については、市民からの通報があると現場に出向くことに努めております。また、市民やその財産への危害の発生を未然に防止するため、職員 が市内を広く定期的に巡回を行っております。

 これまでの実績につきましては、平成15年11月末で捕獲犬が68頭、そのうち飼い主に返還になった頭数が30頭、返還率が44%となってございます。

 なお、できる限り飼い主のもとへ返すことができるよう狂犬病予防法及び船橋市動物の愛護及び管理に関する条例に基づき公示するほか、保健所ホームページにもその情報を掲載いたしております。

 次に、犬猫の引き取りの業務の実績及び安易に引き取りを求める飼い主への対応でございますが、引き取りの実績につきましては、平成15年11月末現在で犬が36頭、猫が454匹となってございます。

 その内訳といたしましては、飼い主からの引き取りについては犬が32頭、猫が45匹、また、飼い主不明の引き取りについては犬が4頭、猫が409匹となってございます。

 また、引き取りの相談があった場合、引き取りの理由をお聞きし、ペットは終生にわたり飼 養することを指導するなど、さらに親犬、親猫の不妊・去勢手術の重要性を説明するとともに、できる限り新しい飼い主を探すよう指導しております。やむを得 ない場合には、保健所が引き取りを行っております。

 次に、動物愛護に対する普及啓発活動の取り組みでございますが、本市は現在、市民が多数集まる場所を利用して各種の普及啓発活動を行っております。本年7月の船橋市民まつりにおいて動物愛護相談コーナーを設けて、約800人の来場者がございました。

 また、9月には動物愛護週間行事のイベントとして、なかよし動物フェスティバル・イン・ ふなばしをららぽーとで開催し、約2,400人の来場者がございました。このフェスティバルでは、犬の正しい飼い方の実演のほか盲導犬の紹介及び警察犬模 範演技等を実施し、犬のしつけの重要性及び犬の持つ能力のすばらしさを認識していただけたものと考えております。

 また、犬の正しい飼い方・しつけ方教室については、本年9月に開催し、来年の1月にも開催を予定しております。

 さらに、犬及び猫の不妊・去勢手術の奨励として、犬及び猫の不妊・去勢手術の助成事業を実施し、179人の飼い主に対して助成を決定しております。

 なお、犬及び猫の譲渡といたしましては、平成15年11月末現在では、犬が11頭、猫につきましては2匹の譲渡を行っております。

 今後も広報活動、教育活動を通じて動物愛護の普及啓発を図ってまいります。

角田秀穂議員  動物愛護についてですが、普及啓発活動、これは一層充実すべきだと思うんですけれども、現状、市内に おいて、ペットを連れて飼い方やしつけ方の講習を受けられるといったような場所もないということで、やはり今後普及啓発活動の拠点として計画されている動 物愛護センターの設置をやはり急ぐべきであろうと考えます。

 今後積極的にこの設置について整備を進めていっていただきたいことを要望させていただきます。