平成15年第1回船橋市議会定例会会議録(第5号・6)

角田秀穂議員  高齢者福祉について。

 初めに、新年度から実施する高齢者の入院おむつ代助成の対象の拡大について、具体的な内容についてお伺いをしたいと思います。

 この問題につきましては、私も過去の議会で取り上げてきたことでもあります。常時おむつ が必要な高齢者に対する支援については、居宅介護の場合であれば、要介護度が4か5で、本人が住民税非課税という要件を満たしていれば、紙おむつ等が支給 をされる。これが医療機関に入院した場合でも、そこが介護保険適用の病床であれば、おむつ代も介護保険の対象となっている。ところが、本市の場合、介護保 険適用の病床が極めて少ない現状から、医療保険病床に長期間とどまらざるを得ない方も大勢いらっしゃるわけで、こうした場合、医療保険ではおむつ代は保険 の適用の対象外ということになり、こうした方々は月額数万円の負担を強いられているという現状があるということから、やむなく医療保険のベッドにとどまっ ている方も含めた入院高齢者に対する支援施策として、これまでも船橋市にも入院老人おむつ代の助成制度があり、月額1万9500円を限度におむつ代の助成 が受けられるということにはなってはいましたが、この場合、在宅の場合よりも極めて厳しい要件がネックとなって、実際にこの助成制度の利用者はほとんどい ないという現状が、新たに対象が拡大されることによって、新年度からどのように改善されていくのか、またこうした新たな制度の市民への周知はどのようにや られていくのかについて、お伺いをしたいと思います。

 次に、今年度、国において新たに創設された高齢者世帯を対象に不動産を担保にした長期の生活資金の貸付制度、いわゆるリバースモーゲージ制度についてお伺いをしたいと思います。

 リバースモーゲージについては、やはり過去の議会においても質問させていただきました が、持ち家は持っていても、実際に生活する上で使える現金が少ない、いわゆるハウスリッチ・キャッシュプアと呼ばれる高齢層を対象に、住みなれた家に従来 どおりに住み続けながら、定期的に現金を確保できるようにすることで、経済的に自立できる基盤の整備をしようとするものの1つとして、海外での実績を踏ま えて、我が国においては1981年に武蔵野市が初めて導入して以来、幾つかの自治体で実施されているほか、民間の金融機関でも商品開発がされてきておりま す。

 こうした先進的に実施している自治体等の状況を見ますと、担保割れや、いわゆる長生きの リスク、高齢者の健康がいつまで続くかなど運用上の課題もあって、必ずしも良好な実績とはなっていないようですが、今後の社会の高齢化の進展をにらみ、社 会的な負担を少しでも軽くする観点から、現行制度のもとでは、持ち家はあっても収入がないため、生活保護に頼らざるを得ないといった高齢者が経済的に自立 できる、そうした基盤を整えるためにも、このようなメニューは用意されてしかるべきであると考えます。

 今年度創設された制度は、厚生労働省所管の生活福祉資金の新しい形態として実施されるこ とから、実施主体である社会福祉協議会の取り組みが重要になってくると言われております。この新たな制度、正式には長期生活支援資金貸付制度というそうで すが、この制度について、本市では一体いつから利用できるようになるのか、また制度の内容、貸し付けを受けるための手続、決定までどれだけの期間を要する のかということについて、お伺いをしたいと思います。

福祉サービス部長(飯島和男)  高齢者福祉についてのうち、入院おむつ代助成についてお答えいたします。

 今回の拡大につきましては、家族介護者への支援を目的に実施するものでございます。現 在、介護用品支給事業として住民税非課税の在宅の要介護4及び5の方で、紙おむつが必要な方に対し、紙おむつを宅配しておりますが、その方が入院をいたし ますと、支給を中止しており、その間のおむつ代は家族の負担となっております。入院中にかかるおむつ代を助成することで、家族にかかる経済的負担を軽減 し、支援を継続していくものであります。

 なお、助成制限額は、紙おむつと同額の1カ月6,250円で考えております。また、周知 方法につきましては、現行制度の支給者本人に通知するのはもとより、広報への掲載のほか、ホームページ、地区民生委員協議会、介護支援センターの連絡会 議、ケアマネジャーの研修会での紹介等、PRを積極的に行い、周知の徹底に努めてまいります。

 次に、高齢者世帯を対象にした生活資金の貸し付け、いわゆるリバースモーゲージについてお答えいたします。

 平成11年の第3回定例会におきまして、議員よりご質問いただきましたが、この制度はご 質問者ご案内のように、高齢者などが不動産を担保に金融機関や自治体等から毎月生活資金を借りて、死亡時等にその不動産を処分し、一括返済する制度でござ いまして、自宅はあるが現金がほとんどない、あるいは子供がいない、また、いたとしても援助が期待できないなどの高齢者世帯には、生活支援の観点から有効 な程度であると考えております。

 制度運用面についてでございますが、借り手側の問題として、相続人の了解が得られるか、 あるいは担保対象者となる不動産に担保価値等一定の制限があること、また貸し手側の問題として、地価下落、金利上昇による担保割れなどさまざまな問題があ り、自治体が行う制度としてはリスクが伴う制度でもあります。

 しかしながら、厚生労働省が既制度である生活福祉資金貸し付け制度を一部改正し、長期生 活支援資金として制度化し、千葉県社会福祉協議会が事業主体、各種の社会福祉協議会が受け、相談窓口としての形で平成15年4月1日よりこの制度を実施す ることとなりました。この制度の概要でございますが、借り入れ申込者の年齢は、原則として65歳以上の市民税の税額が非課税程度であること、不動産の評価 額がおおむね1万円(後刻「1000万円」と訂正)以上で、貸し付け限度額は不動産評価額の7割程度であること、県社協の中に別途設置される審査会の審査 を経た後、1カ月30万円を限度に、3カ月ごとに貸付金が交付されるというような制度であると聞いております。

 いろいろな課題を抱えてスタートとなりますが、制度を運営する中で改善が図られていくものと考えておりますし、当市といたしましても、制度の広報等、側面的な支援を果たしてまいりたいと考えております。

角田秀穂議員  初めに、高齢者に対するおむつ代の助成については、現在、在宅で紙おむつの支給を受けている方が、医療機関に入院した場合も引き続き、家族の経済的な負担 の軽減が図られるよう支援を行っていく内容とのことで、本人や介護する家族の負担の軽減が実現するものと思います。これはこれでもちろん歓迎すべきことだ と思うのですが、ただ、高齢者に対する経済的な負担の軽減策が進むことにより、高齢者以外で常時おむつが必要という障害者及び介護する家族の経済的な負担 の格差が広がる結果ともなるんじゃないかとも思います。同じおむつが必要な方でも、高齢者以外の方、つまり65歳未満の障害者はこのような助成が受けられ ません。

 これも以前、議会で取り上げた際、障害者に対するおむつ支給については、身体障害児者の 補装具として身体障害者手帳1級所持者かつ重度知的障害者、排尿、排便の予告がいずれもできない障害児者、その原因が乳幼児期以前の非進行性の脳性麻痺と 脳原性運動機能障害であること、この4つの条件のいずれにも該当する場合に、初めて紙おむつを補装具として交付しているということでしたが、いずれにせ よ、かなり厳しい条件がこうした方々には課せられております。

 常時おむつが必要な高齢者であれば助成が受けられ、高齢者でない障害者はかなり厳しい条件が課せられている。介護する家族の負担が同じであるということを考えれば、これはやはり不公平であると言えます。

 おむつ支給について、高齢者のほか障害者や障害児も対象に加えている自治体もあります。 介護する家族の負担は変わらないということから考えれば、こちらの方がむしろ当然であると言えます。本市においても、おむつ代助成の対象者に、常時おむつ を必要とする障害者をぜひ加えていただくことを要望させていただきたいと思います。